サッカーなんか大嫌い
アンナ・メリキャン監督「ルサルカ 水の精の恋」«Русалка»2007年ロシアここまでロシアのサッカー映画がなかった。
ええ、実はこれといったものがないんですよ。
ドニエプル・ドニエプロペトロフスクのアニメーションの紹介で触れた、アンナ・メリキャン監督の「ルサルカ 水の精の恋」を、行きがかり上書いておきましょうか。
2009年10月17日拙ブログより
とまあ、サッカー観ながらめちゃくちゃなこと書いていますが、この映画にサッカーのシーンは一切出てきません。題名から想像がつく通り、凄い悲恋ものです。ロシアだなあ…。ハリウッドじゃこういうの無理でしょ。ルサルカはスラヴの伝説に出てくる水の精。ドヴォジャークのオペラ、数年前にNHK教育TVで放映していましたが、殆どアンデルセンの『人魚姫』ですね。アレクサンドル・ペトロフのアニメーションでも同名の作品(邦題は「マーメード」)がありますが、こちらは男を恨んで化けて出てきた妖怪という趣です。セイレーンみたいに魔力で水に引き入れてしまいます。アンナ・メリキャン監督のこの「ルサルカ」は、幸薄い少女アリサ(マーシャ・シャラーエワ:適当にブスっ娘)が多大なストレスを抱えているいかがわしいビジネスマンのサーシャ(エヴゲニー・ツィガーノフ:つくづく嫌な男である)に恋をするけど報われず。しかし、似合わんカップルだなあと思っていたら・・・ある意味納得のラストだった。いやはや、モスクワって、あんなに自己啓発系のコマーシャルが氾濫しているのだろうか???嫌だな。・・・ところで、今ウクライナプレミアリーガを観ているのですが、メタルルグ・ザポロジエとドニエプル・ドニエプロペトロフスクの試合の前に、短いアニメーションがあって、ちょっと愉快でした。赤いチーム(メタルルグ)と青いチーム(ドニエプル)がサッカーをしようと川を渡ります。ドニエプルは帆船、メタルルグは筏で。←紋章によっています。猫も乗ろうとするけどレッドカードを出されてしまいます。試合が始まるけど、ボールが川に落ちてしまい、両チームの選手たちはまず橋の上から釣竿を垂れます。ボールを釣ろうというの??次にそれぞれゴールを動かして網代わりに掬おうとします。ドニエプルのゴールにかかったのは水の精(ルサルカ)。選手大喜び。メタルルグのゴールにはボールがかかり、1点入りました!というオチ。そこを退場になったはずの猫がお魚くわえて横切っておしまい。しかし、現実の試合では、ドニエプルが先制しましたよ。開始5分でルスラン・ロタンのGOOOOOOOOOOLLLLL!!!!!!!それはさておき、ルサルカです。自己啓発系のCM氾濫も含めて、「今のロシア」を掬い取った作品ですね。日本ではなかなか紹介されにくい現代ロシアの姿です。2007年制作ですが、ストーリーは前半は1991年(アリサ6歳)たぶん黒海沿岸の町、後半は2002年(アリサ17~18歳)モスクワ。アリサの18歳の誕生日は2002年の6月9日。ロシアがワールドカップグループリーグ第2戦で日本に負けて、モスクワで暴動がおこった日。それが映画中に表れ、アリサはそのとばっちりを受ける。「サッカーは嫌い」「サッカーなんか大嫌い」というモノローグが繰り返される。確かにあの日、サッカーを嫌いになったモスクヴィチカは多いだろうな。(略・・・この部分は後日書きます)おお、ドニエプル2点目。ぽっかりとセレズニョフのミドルが入ってしまった。あらら、3点目だ。ゴメニュクかな?どどどフリーじゃないですか。
サッカーのおかげで酷い目に遭ったヒロインが「サッカーは嫌い」「サッカーなんか大嫌い」とつぶやき、そして恋に落ち、だからアリサ(ヒロインの名)は「サッカーは嫌」という前言を取り消したかもしれません。
でも結局は…。
ロシア映画でサッカー絡みって、サッカーファンとしては何だかなあなんですよね~。
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