2010年9月29日水曜日

ルサルカ 水の精の恋

サッカーなんか大嫌い

アンナ・メリキャン監督「ルサルカ 水の精の恋」«Русалка»2007年ロシア

ここまでロシアのサッカー映画がなかった。
ええ、実はこれといったものがないんですよ。

ドニエプル・ドニエプロペトロフスクのアニメーションの紹介で触れた、アンナ・メリキャン監督の「ルサルカ 水の精の恋」を、行きがかり上書いておきましょうか。

2009年10月17日拙ブログより
題名から想像がつく通り、凄い悲恋ものです。
ロシアだなあ…。ハリウッドじゃこういうの無理でしょ。
ルサルカはスラヴの伝説に出てくる水の精。
ドヴォジャークのオペラ、数年前にNHK教育TVで放映していましたが、殆どアンデルセンの『人魚姫』ですね。
アレクサンドル・ペトロフのアニメーションでも同名の作品(邦題は「マーメード」)がありますが、こちらは男を恨んで化けて出てきた妖怪という趣です。
セイレーンみたいに魔力で水に引き入れてしまいます。
アンナ・メリキャン監督のこの「ルサルカ」は、幸薄い少女アリサ(マーシャ・シャラーエワ:適当にブスっ娘)が多大なストレスを抱えているいかがわしいビジネスマンのサーシャ(エヴゲニー・ツィガーノフ:つくづく嫌な男である)に恋をするけど報われず。
しかし、似合わんカップルだなあと思っていたら・・・ある意味納得のラストだった。
いやはや、モスクワって、あんなに自己啓発系のコマーシャルが氾濫しているのだろうか???嫌だな。
・・・ところで、今ウクライナプレミアリーガを観ているのですが、メタルルグ・ザポロジエとドニエプル・ドニエプロペトロフスクの試合の前に、短いアニメーションがあって、ちょっと愉快でした。
赤いチーム(メタルルグ)青いチーム(ドニエプル)がサッカーをしようと川を渡ります。
ドニエプルは帆船、メタルルグは筏で。←紋章によっています。
猫も乗ろうとするけどレッドカードを出されてしまいます。
試合が始まるけど、ボールが川に落ちてしまい、両チームの選手たちはまず橋の上から釣竿を垂れます。ボールを釣ろうというの??
次にそれぞれゴールを動かして網代わりに掬おうとします。
ドニエプルのゴールにかかったのは水の精(ルサルカ)。
選手大喜び。
メタルルグのゴールにはボールがかかり、1点入りました!というオチ。
そこを退場になったはずの猫がお魚くわえて横切っておしまい。
しかし、現実の試合では、ドニエプルが先制しましたよ。
開始5分でルスラン・ロタンのGOOOOOOOOOOLLLLL!!!!!!!
それはさておき、ルサルカです。
自己啓発系のCM氾濫も含めて、「今のロシア」を掬い取った作品ですね。
日本ではなかなか紹介されにくい現代ロシアの姿です。
2007年制作ですが、ストーリーは前半は1991年(アリサ6歳)たぶん黒海沿岸の町、後半は2002年(アリサ17~18歳)モスクワ。
アリサの18歳の誕生日は2002年の6月9日。
ロシアがワールドカップグループリーグ第2戦で日本に負けて、モスクワで暴動がおこった日。
それが映画中に表れ、アリサはそのとばっちりを受ける。
「サッカーは嫌い」「サッカーなんか大嫌い」というモノローグが繰り返される。
確かにあの日、サッカーを嫌いになったモスクヴィチカは多いだろうな。
(略・・・この部分は後日書きます)
おお、ドニエプル2点目。
ぽっかりとセレズニョフのミドルが入ってしまった。
あらら、3点目だ。ゴメニュクかな?
どどどフリーじゃないですか。
とまあ、サッカー観ながらめちゃくちゃなこと書いていますが、この映画にサッカーのシーンは一切出てきません。
サッカーのおかげで酷い目に遭ったヒロインが「サッカーは嫌い」「サッカーなんか大嫌い」とつぶやき、そして恋に落ち、だからアリサ(ヒロインの名)は「サッカーは嫌」という前言を取り消したかもしれません。
でも結局は…。

ロシア映画でサッカー絡みって、サッカーファンとしては何だかなあなんですよね~。

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