サッカー王国ではあっても、サッカー映画王国ではないのがブラジル。
「リーニャ・ヂ・パッシ」Linha de Passe
ウォルター・サレス&ダニエラ・トマス監督2008年ブラジル
「リーニャ・ヂ・パッシ」といのは、4人でボールを下に落とさないようにパスしていく遊びだという。
映画中で4人兄弟が興じている場面があった。
辛口の青春映画&家族映画。
「セントラル・ステーション」の男の子の10年後。
長男を演じた彼以外は素人だというが、母親役の人は上手い!
父親の違う子どもを産み育て、“ヨーヨークラブ”(昇格・降格を繰り返すクラブ)であろう地元のサッカークラブの応援に余念がない。
それも体当たり演技!というのではなく、実に自然にふるまっている。
カンヌで主演女優賞を獲ったのもうなづける。
アルゼンチンの「今夜、列車を走る」と同じように、貧困と失業にまみれた世界からの出口を模索する若者たち(兄弟)を描いているが、こちらのラストはあまりハッピーではない。
サッカー、犯罪、宗教、家族。
ブラジル人にとっての身近なものをテーマにしている。
一番上の子(「セントラル・ステーション」の彼)はプロの選手としてスカウトされるのにはぎりぎりの年齢。
才能がないわけではない彼は焦る。
プロになれなければ、他にまともに生きていく術が考えられないのだから。
日本で上映される南米映画って、明るい雰囲気のものは殆どないなあ。
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