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2016年2月11日木曜日

「ロイヤル・コンセルトヘボウ オーケストラがやって来る」@ユーロスペース

オデッサ海岸通り: 皆にお勧め 「ロイヤル・コンセルトヘボウ オーケストラがやって来る」@ユーロスペース: ユーロスペースで「 ロイヤル・コンセルトヘボウ   オーケストラ が やって来る 」を観た。 ウルグアイ出身のファゴット奏者、肉親の粛清や自身の俘虜経験など過酷な過去を想うペテルブルグ在住のセルゲイさん、音楽に夢中の南アの少女ら、説明不要、ただ観て聴いて、充実した気分に浸れる...

ウルグアイ出身のファゴット奏者、肉親の粛清や自身の俘虜経験など過酷な過去を想うペテルブルグ在住のセルゲイ・ボグダノフさん、音楽に夢中の南アの少女ら、説明不要、ただ観て聴いて、充実した気分に浸れる映画だった。

これはサッカー映画ではなくて、オーケストラのワールドツァーのドキュメンタリーで、いわば音楽映画。
だけど、映画の前半で、ブエノスアイレス公演時、ウルグアイ出身のファゴット奏者ヌニェスさんとドイツ人フルート奏者ケルステンさんがレストランに入って食事しながらの会話場面。
壁に飾られたペナントの数々の中にペニャロールがあるのを観て「我がクラブのだ!」と喜ぶヌニェスさん。
「でも子どもたちはアシックスファンなんだ」というと、ケルステンさんは「うちのはバイエルンファンだよ、行ったこともない街なのにね」
と二人ともお父さんの顔。
サッカーが”グローバル”化したのがわかる一コマ。オーケストラもそうなんだけど。
ヌニェスさんはその後家族に電話(スカイプ?)して「メッシの生まれた国からだよ」と言っているから、サッカーファンとお見受けした。

2014年10月20日月曜日

ルワンダの遠い夜明け

ルワンダで虐殺があってから20年。
フツ族とツチ族、現政権は虐殺の責任は問わずそっと蓋をすることで、”砂上の和解”を国民に強いているようだ。

「FCルワンダ」
オランダのヨリス・ポステマ監督が撮った57分のドキュメンタリー作品である。

FCルワンダというタイトルだが、そういう名のクラブの話ではない。
サッカーのルワンダ代表の話でもない。
そもそもそんなにサッカーシーンは多くはなく、インタビュー中心。
ジャーナリストやサッカー選手たちに向けての。
ああいうことがあった国で、民族とか部族(エスニックグループという方が良いようだが)ではなく、帰属意識だったり国民の統合の象徴だったりがサッカーに求められている面もあるのでは?と探っていっているわけだ。

30年前の検証は殆どない。
(それは別の映画等の役割だろう。)
現在の「和解」がどうなのよって話。
確か、ツチ族を殺せとラジオ放送をした者など虐殺を煽った人は国際司法裁判所で人道に対する罪を問われたはずだが、直接虐殺に手を染めた人たちについては責任を追及されることはなかったらしい。
あまりに多くて収拾がつかないことになり、新たな国家建設に支障をきたすという判断によるのかもしれないが、迫害を受けた側からすると泣き寝入りに他ならず、強者による和解の押しつけであり、彼らマイノリティーの二重の意味での犠牲の上に立つ平穏だと言える。

国内リーグでは、民間の人気プロチーム「レイヨン」と、それに対抗馬となる政府軍のクラブ「ARC」が二強のようで、ダービーを選手たちもファンも心待ちにしている。
概ね一番人気の民間プロチーム、レイヨンがスパルターク、部族の「和解」を事実上強制した政府側=軍のチームARCはツェスカやディナモに例えられよう。

繰り返すが、かの国では虐殺のことは未だタブーであり、正面切って「何族ですか?」などと問うのも避けられている。
当然と言えば当然だが、「彼らは私たちを見下している」といった意識は残っていて、どうもいつもチーム内が微妙な雰囲気に支配されている。

なので、危なっかしい。
スパルターク(レイヨン)対ツェスカ(ARC)じゃいつ何時フーリガン化して、皆がそおーーーっとしてきた外見上の和解も平穏も統一も一気に崩壊しかねないのではと。

正視できないほど辛いことだが、子どもたちが逃げ込んだ学校の校舎で虐殺が行われ、今も犠牲者の骨が積み上げられ、壁に叩きつけられた子どもの血痕が生々しく残っているシーンがある。

サッカーでは虐殺の犠牲者追悼の試合が行われるが、選手の多くは肉親が犠牲になっている、または肉親が手を下しているが、いまだそれは表立っては語られない。
そんな中で、サッカーがすぐに和解の架け橋のような役目を果たし得て、すっきり問題解決、ハイタッチで終了などとは、現時点ではとてもならない。
果たして非常にもやもやしたものが残り、居心地の悪さを持たせる作品。
ただ、未来志向で教育が大切と、語り始めている人たちがいるのが救いだ。

ところで、難民映画祭でこの映画が上映された際、特別ゲストとして元日本代表の北沢豪氏がいらした。


この写真では例の長髪がわかるだけだな。
彼の感想は
・ルワンダの選手は結構サッカーは上手い。やはりアフリカ特有の身体能力の高さを持つ。
・同じチームに親を殺したかもしれない人たち(の子ども)がいたら複雑であろう。
・日本の選手が日本代表として「日本のためにプレイしよう」と思うように、ルワンダの選手たちが「ルワンダという国のためにプレイしよう」という気になっているのかと言うとちょっと疑問。
・やはりサッカーをして教育に繋げなければならない。
概ねこんなことではなかったかと。

「FCルワンダ」
難民映画祭にて。

面白い映画とはお世辞にも言えないが、フットボール映画祭等で上映する価値がある。

2012年5月4日金曜日

あなたがまぶしい、草蹴球

このオランダサッカー映画をまだ載せていなかった。
良作です。
投稿日: 2009年2月28日
1998年のオランダ映画祭(草月ホール)で一番観たかった作品。
招待状も手に入れたのだけど、その日の都合が悪くなって、教会の友人に譲ったのだった。
返す返すも心残りだった。
そんな私の心の片隅にあったものを、神様は気にかけてくださったのだ。
映画祭で観られなかった作品は大部分その後公開される機会もなく観られないままなのだけれど、何と夢は叶った。
10年以上経って再び催されることになった「オランダ映画祭2009」の「オランダ映画近作選」で、リバイバル上映がある!
(10年以上前の作品なのに「近作」なのか?)
しかも今度は残業さえしなければ観に行けるじゃないか!
よし、行くぞ。残業なんかしないもんね、この日は。
というその作品は「オールスターズ」という、草サッカー映画でした。
10年越しの願いがかなって、そう、何だか高校時代のサッカー部の憧れのエースストライカーに再会できたかのような気分(鉄壁を誇るキーパーでも可)。

19歳という設定だったとは、今気がついてちょっとびっくり。皆さん29歳くらいに見えたな。
サッカー映画としての比重より青春群像劇としての比重の方が大きく、それもかなり地味で(デンマークとかの映画みたいに)、『幸せになるためのイタリア語講座』ぽい。
キャスト
俳優さんたちは1960年代半ば生まれの人が多く、10年前というと19歳ではないねえ、確かに。
率直に言って、すごくカッコいい人や美青年はいません。
というか私好みの人はいませんでした。強いて言えばJohnnyがいいかしら。
俳優さんたちの容姿も、演技も、設定も、あまり華やかなものではありません。

にもかかわらず、この私の10年越しの恋は、本物だったと言えます。
いい映画でした。
結構感動しました。

サッカーの試合をしている場面はそれほど多くはなく、むしろかつては彼らの生活の中の重要な一部であった草サッカーが、もはやそうではなくなっていること、彼らとサッカーが急速に引き離されつつあることを、割と生真面目に描いています。
そうなんだよね、10年続けてゆくことって、大変なんだよね、ブラム、君はとっても偉いよ。

この映画、2009年夏(つまり今年)には続編ができるみたいです。
観たいよ!オランダ映画祭で、またやってくれますか??
この作品も、DVDが欲しい!

しかしどうして「オールスターズ」っていう題になったのでしょうか。
彼らのチームの名前は「スフィフト・ボーイズ」です。

オランダ映画祭、せっかくブルーナーの描いたオリジナルキャラクターののぼりやポスターなんかがあるのですが

今回もラインナップは異様に地味です。
この「オールスターズ」も含め、無名の作品ばっかりです。
当然ながら集客力も期待できず、せめて最近日本で一般公開された(且つ評判も良かった)「ブラックブック」とか「オランダの光」とかがプログラムにあればよかったのだろうに、と思います(権利問題がクリアできなかったのでしょうか)。
でも、地味でも外れが少ないのがオランダ映画。
そこはベルギー映画と同じかしら。
(大きな違いは、ベルギー映画には美少年がつきものだってこと。)