大、大、大健闘でした!
木村元彦『蹴る群れ』をちょこっと読んだくらいですが、女子サッカーって、タフですね。
彼女らのサッカーをすること自体への執念の凄まじさに触れてしまうと、男子の方の日本代表は、(普通にワールドカップ本大会にも出場するようになったものの)<恵まれすぎて温い>という通り一遍の印象を持ってしまいます。
(彼らだって絶対ものすごく努力しているに決まっているけど。)
知的障がい者サッカー日本代表のドキュメンタリー映画「プライドinブルー」の監督中村和彦さんが、デフリンピック(ろう者のオリンピック)に初参戦した日本女子代表を撮った作品(大会は2009年9月に台北で行われた)「アイ・コンタクト もう一つのなでしこジャパン ろう者女子サッカー」は、ポレポレ東中野で上映中ですが、10/8(金)までだというので、急ぎ観てきました。
ポレポレのある地下一階への階段では、なでしこたちのミニ写真展。
観客の中にはろう者の方もかなりいらっしゃるようです。
ロビーでは文字での案内もありました。
上映終了後には中村和彦監督のご挨拶がありました。
且つサイン会も。
(私もいただきました。)
映画はきわめてまじめな、というかまともなドキュメンタリーでした。
正攻法です。
前半はサッカーの場面は殆どなく、ろうであること、また手話について語られます。
学校教育で、口話が奨励され、手話については(口話が進まないということで)禁じられさえしたのだ、ということが強調されているようです。
確かに手話に「頼らない」人の方が、「健常者」にとって聴きとりやすい話し方をするようではあり、口話法奨励は「障がい者」をいかに「健常者」に近づけるかというものであるようにも思えました。
全員か、殆どの人は生まれたときからのろうであるようだが、障がいの程度、受けてきた学校教育、現在の職場等はそれぞれ。
彼女たちがどのようにしてサッカーと出会い、普段どのようにしてサッカーと関わっているのかは、もっと丁寧に描いてほしかったです。
きっかけを話してくれた二人の選手は、小学生の時にサッカーを始め、中断はあれどフットサルやサッカーのチームでプレイを続けているという、サッカーのキャリアの長い部類に入るのだけど、
「日本代表ってすごく夢のある言葉、レベル高いんじゃないかって思っていたけど、参加してみると、あれ?初心者多いなって」という発言にあるように、多くはサッカーを続けてきた人ではないようだ。
何せデフリンピック初参加の、初日本代表なのだ。
その初心者たちはどのようにしてサッカーと出会い、彼女たちにとってサッカーはどういう位置づけになるのだろうか?と。
さて、練習の風景は殆どないままに、いきなりデフリンピック開幕。
実際、練習試合とかあんまり組めなかったということだろうか。
う~~~~む。
守備がね~~~、厳しいなあ。
DF同士、DFとGKとの連携が…。
しばしばゴール前ががら空きになってしまう。
「声をかける」というコミュニケーション手段が断たれているということはやはり相当厳しい。
そこはこうやってよ、と伝えるのにどうしたらいいのよ!と訴えるGK。
皆前しか向いていないじゃないの?!
顔を上げ、周りを見る。
見ることでのコミュニケーションをより心がけなければならない。
それはわかっているが…。
最終戦。
音が消される。
良いアイデアなと思います。
ただ…字幕がちょっとセンチメンタルにすぎたと感じました。
監督さん、サッカーが好きだし、彼女たちへの思いれが凄く入っていて、エモーショナルになっているのですよ。
いや、観客だってそうなっているところなので、字幕で盛り上げなくてもいいのです。
いや、却って水を差してしまいます。
試合ごとに成長が著しい。
ちゃんと練習試合ができていたら、凄く強くなるんじゃないか?!
(正直、ホームレスワールドカップの「野武士ジャパン」の面々より見込みありそうに思った。)
4年後が楽しみ。
「アイ・コンタクト もう一つのなでしこジャパン ろう者女子サッカー」
中村和彦監督2010年日本
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