ブラジル映画祭2010にて鑑賞。
サッカー選手を夢見る子ども、実際にサッカークラブの寄宿学校でスター選手を目指す少年たち、選手をあきらめ熱狂的サポーターとして愉しむ若者、スタジアムのお好み焼き?の売店のおばちゃん、(たぶん物凄く有名な)スポーツジャーナリスト、学者、ミュージシャンたち。
そして、往年の名選手たち。ドクトル・ソクラテス、コウチーニョ、ペペ、リマら。
彼らが断片的に登場するドキュメンタリー。
現役のスター選手こそ出てこないけれど、主にFCサントスをめぐる人々を、スタイリッシュを狙いすぎか、という感もある映像で映し出した、日本人女性監督の作品。
スタジアムの警備の仕事をしているらしいお父さんに手をひかれ、スタジアムデビューを果たす男の子ガブリエル。
アフリカ系の両親はとても優しそう。子どもの希望をかなえてちゃんとしたサッカースクールに通わせるなど、そこそこ余裕のある中流家庭のようです。
ガブリエル君の憧れの選手はなぜか日系3世のタバタ選手。
「日系だからと顔をしかめられたこともある」という、ブラジルでは、特にブラジル・サッカー界では、日系はマイノリティーなのですね。
ちょっと前園っぽい面持ちの雰囲気イケメン?の、ロドリゴ(ホドリゴ)・タバタ選手、この作品の撮影当時はFCサントス所属でしたが、エンディングクレジットの字幕では現在トルコリーグのクラブにいるとか。
(調べたところ、ベシクタシュでした。)
熱狂的サポーターだという「色男」(とサポーター仲間に言われる、ややクリスチアノ・ロナウド似の、確かにもてそうな若者)ブルーノ。
割と普通の若者です。
フーリガン風ではない。
ただ、サッカーの応援以外は何やっているのか不明。
売店のおばちゃんチア・ダ・バイバイ(?)さん。すごくいい感じだ。
「リーニャ・ヂ・バッジ」のお母さんみたい。
ブルーノくんより応援に熱がこもっていそうだ。
サンバサークルの一員でもあります。
こういった市井の人たちの描写はおもしろかったのですが…。
それと元スター選手たちにはちょっぴり感動しますが、結局自慢話に花咲かしているだけだなあ。
まがりなりにもサッカーしてみてくれればよかったのに(リフティングだけでも)。
著名なスポーツジャーナリストのアルマンド・ノゲイラさんは、2010年に世を去っているそうです。
それと人類学者の方、ミュージシャンたちのお話は、ブラジルに関心のある人にとっては有益だったのではないかと思います。
が、門外漢の私には「別に~」というか、あんまり目新しい話じゃなかったな。
おもしろかったけど、あんまり焦点が定まっていない印象も。
「フッチボール・ブラジル」"Futebol Brasileiro"榑谷美紀監督2009年日本
2010年10月12日火曜日
2010年10月10日日曜日
男のゲーム
シュヴァンクマイエルの、シュヴァンクマイエルたるべき、「センスはあるけど悪趣味!」な感じが炸裂な、スプラッターなアニメーション。
部屋の中の様子も、スタジアムの雰囲気も、とってもレトロ。
TV観戦しているチェコのおっさんはサッカー好きなのだろうが、シュヴァンクマイエル、サッカー好きなのだろうか。
なんかそうは思えないなー。
サッカー選手がどんどん破壊されていくのって、私にとっては見るに堪えない。
それもこれでもか!っていうくらい残酷描写です。
気持ち悪いよ。
でも、才能は認める。
「男のゲーム」
ヤン・シュヴァンクマイエル監督1988年チェコスロヴァキア
部屋の中の様子も、スタジアムの雰囲気も、とってもレトロ。
TV観戦しているチェコのおっさんはサッカー好きなのだろうが、シュヴァンクマイエル、サッカー好きなのだろうか。
なんかそうは思えないなー。
サッカー選手がどんどん破壊されていくのって、私にとっては見るに堪えない。
それもこれでもか!っていうくらい残酷描写です。
気持ち悪いよ。
でも、才能は認める。
「男のゲーム」
ヤン・シュヴァンクマイエル監督1988年チェコスロヴァキア
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チェコスロヴァキア
2010年10月3日日曜日
「アイ・コンタクト もう一つのなでしこジャパン」
先日、誠に惜しくも、PK戦で敗れての準優勝だった、U17女子。
大、大、大健闘でした!
木村元彦『蹴る群れ』をちょこっと読んだくらいですが、女子サッカーって、タフですね。
彼女らのサッカーをすること自体への執念の凄まじさに触れてしまうと、男子の方の日本代表は、(普通にワールドカップ本大会にも出場するようになったものの)<恵まれすぎて温い>という通り一遍の印象を持ってしまいます。
(彼らだって絶対ものすごく努力しているに決まっているけど。)
知的障がい者サッカー日本代表のドキュメンタリー映画「プライドinブルー」の監督中村和彦さんが、デフリンピック(ろう者のオリンピック)に初参戦した日本女子代表を撮った作品(大会は2009年9月に台北で行われた)「アイ・コンタクト もう一つのなでしこジャパン ろう者女子サッカー」は、ポレポレ東中野で上映中ですが、10/8(金)までだというので、急ぎ観てきました。
ポレポレのある地下一階への階段では、なでしこたちのミニ写真展。
日曜の昼間ですが、そんなに混んではいませんでした。
観客の中にはろう者の方もかなりいらっしゃるようです。
ロビーでは文字での案内もありました。
上映終了後には中村和彦監督のご挨拶がありました。
且つサイン会も。
(私もいただきました。)
映画はきわめてまじめな、というかまともなドキュメンタリーでした。
正攻法です。
前半はサッカーの場面は殆どなく、ろうであること、また手話について語られます。
学校教育で、口話が奨励され、手話については(口話が進まないということで)禁じられさえしたのだ、ということが強調されているようです。
確かに手話に「頼らない」人の方が、「健常者」にとって聴きとりやすい話し方をするようではあり、口話法奨励は「障がい者」をいかに「健常者」に近づけるかというものであるようにも思えました。
全員か、殆どの人は生まれたときからのろうであるようだが、障がいの程度、受けてきた学校教育、現在の職場等はそれぞれ。
彼女たちがどのようにしてサッカーと出会い、普段どのようにしてサッカーと関わっているのかは、もっと丁寧に描いてほしかったです。
きっかけを話してくれた二人の選手は、小学生の時にサッカーを始め、中断はあれどフットサルやサッカーのチームでプレイを続けているという、サッカーのキャリアの長い部類に入るのだけど、
何せデフリンピック初参加の、初日本代表なのだ。
その初心者たちはどのようにしてサッカーと出会い、彼女たちにとってサッカーはどういう位置づけになるのだろうか?と。
さて、練習の風景は殆どないままに、いきなりデフリンピック開幕。
実際、練習試合とかあんまり組めなかったということだろうか。
う~~~~む。
守備がね~~~、厳しいなあ。
DF同士、DFとGKとの連携が…。
しばしばゴール前ががら空きになってしまう。
「声をかける」というコミュニケーション手段が断たれているということはやはり相当厳しい。
顔を上げ、周りを見る。
見ることでのコミュニケーションをより心がけなければならない。
それはわかっているが…。
最終戦。
音が消される。
良いアイデアなと思います。
ただ…字幕がちょっとセンチメンタルにすぎたと感じました。
監督さん、サッカーが好きだし、彼女たちへの思いれが凄く入っていて、エモーショナルになっているのですよ。
いや、観客だってそうなっているところなので、字幕で盛り上げなくてもいいのです。
いや、却って水を差してしまいます。
試合ごとに成長が著しい。
ちゃんと練習試合ができていたら、凄く強くなるんじゃないか?!
(正直、ホームレスワールドカップの「野武士ジャパン」の面々より見込みありそうに思った。)
4年後が楽しみ。
「アイ・コンタクト もう一つのなでしこジャパン ろう者女子サッカー」
中村和彦監督2010年日本
大、大、大健闘でした!
木村元彦『蹴る群れ』をちょこっと読んだくらいですが、女子サッカーって、タフですね。
彼女らのサッカーをすること自体への執念の凄まじさに触れてしまうと、男子の方の日本代表は、(普通にワールドカップ本大会にも出場するようになったものの)<恵まれすぎて温い>という通り一遍の印象を持ってしまいます。
(彼らだって絶対ものすごく努力しているに決まっているけど。)
知的障がい者サッカー日本代表のドキュメンタリー映画「プライドinブルー」の監督中村和彦さんが、デフリンピック(ろう者のオリンピック)に初参戦した日本女子代表を撮った作品(大会は2009年9月に台北で行われた)「アイ・コンタクト もう一つのなでしこジャパン ろう者女子サッカー」は、ポレポレ東中野で上映中ですが、10/8(金)までだというので、急ぎ観てきました。
ポレポレのある地下一階への階段では、なでしこたちのミニ写真展。
観客の中にはろう者の方もかなりいらっしゃるようです。
ロビーでは文字での案内もありました。
上映終了後には中村和彦監督のご挨拶がありました。
且つサイン会も。
(私もいただきました。)
映画はきわめてまじめな、というかまともなドキュメンタリーでした。
正攻法です。
前半はサッカーの場面は殆どなく、ろうであること、また手話について語られます。
学校教育で、口話が奨励され、手話については(口話が進まないということで)禁じられさえしたのだ、ということが強調されているようです。
確かに手話に「頼らない」人の方が、「健常者」にとって聴きとりやすい話し方をするようではあり、口話法奨励は「障がい者」をいかに「健常者」に近づけるかというものであるようにも思えました。
全員か、殆どの人は生まれたときからのろうであるようだが、障がいの程度、受けてきた学校教育、現在の職場等はそれぞれ。
彼女たちがどのようにしてサッカーと出会い、普段どのようにしてサッカーと関わっているのかは、もっと丁寧に描いてほしかったです。
きっかけを話してくれた二人の選手は、小学生の時にサッカーを始め、中断はあれどフットサルやサッカーのチームでプレイを続けているという、サッカーのキャリアの長い部類に入るのだけど、
「日本代表ってすごく夢のある言葉、レベル高いんじゃないかって思っていたけど、参加してみると、あれ?初心者多いなって」という発言にあるように、多くはサッカーを続けてきた人ではないようだ。
何せデフリンピック初参加の、初日本代表なのだ。
その初心者たちはどのようにしてサッカーと出会い、彼女たちにとってサッカーはどういう位置づけになるのだろうか?と。
さて、練習の風景は殆どないままに、いきなりデフリンピック開幕。
実際、練習試合とかあんまり組めなかったということだろうか。
う~~~~む。
守備がね~~~、厳しいなあ。
DF同士、DFとGKとの連携が…。
しばしばゴール前ががら空きになってしまう。
「声をかける」というコミュニケーション手段が断たれているということはやはり相当厳しい。
そこはこうやってよ、と伝えるのにどうしたらいいのよ!と訴えるGK。
皆前しか向いていないじゃないの?!
顔を上げ、周りを見る。
見ることでのコミュニケーションをより心がけなければならない。
それはわかっているが…。
最終戦。
音が消される。
良いアイデアなと思います。
ただ…字幕がちょっとセンチメンタルにすぎたと感じました。
監督さん、サッカーが好きだし、彼女たちへの思いれが凄く入っていて、エモーショナルになっているのですよ。
いや、観客だってそうなっているところなので、字幕で盛り上げなくてもいいのです。
いや、却って水を差してしまいます。
試合ごとに成長が著しい。
ちゃんと練習試合ができていたら、凄く強くなるんじゃないか?!
(正直、ホームレスワールドカップの「野武士ジャパン」の面々より見込みありそうに思った。)
4年後が楽しみ。
「アイ・コンタクト もう一つのなでしこジャパン ろう者女子サッカー」
中村和彦監督2010年日本
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日本
2010年10月1日金曜日
「ワイルド・ワイルド・ビーチ」
よりによって、歴史的大敗記念日
「ワイルド・ワイルド・ビーチ」も、「ルサルカ 水の精の恋」と同様、舞台はロシア南部の黒海沿岸のビーチ。
海水浴にやってきた人と商売している人たち(中央アジアの方からラクダなんか連れてきて一緒に写真撮りましょうビジネスしている)のドキュメンタリーで、何とも言えない雑多な題材・作風。
そんな中で、夜浜辺のテントの中でサッカー中継を聴くというシーンがあります。
対戦相手はというとポルトガル。
ああ、あの試合か~。
2006年ワールドカップヨーロッパ予選のロシア対ポルトガル。
完敗*したんだよね。
と、既に結果を知っている私はそこで苦笑。
暴れだす輩がいるのではとさえ思いました。
試合が進むにつれて、案の定その場の雰囲気は暗~~~くなります。
まあ、さすがにそこでは暴動までは起こりませんでしたが、楽しくないことこのうえありません。
(でも、アウェイのポルトガル戦はさらに酷いことになったのだ。7-0だったよ、確か。*)
「ワイルド・ワイルド・ビーチ」
«Дикий, дикий пляж. Жар нежных»
アレクサンドル・ラストルグエフ、ヴィタリー・マンスキー、スサンナ・バランジエヴァ監督2006年(こちらでは2005年)
注:2006年ワールドカップヨーロッパ予選のロシア対ポルトガル戦のスコアを改めて調べてみたら、上で書いていたことはだいぶ記憶違いがあって。
2004/10/13 ポルトガル 7-1 ロシア
2005/9/7 ロシア 0-0 ポルトガル
…でありました。
アウェイが7-0で、ホームが0-3だと思い込んでいた。
しっかりうろ覚えだった。
辛い時代だったなあ。
で、結局このときはホームではなくて、7-1の歴史的大敗をしたアウェイの試合でした。
すかっとするサッカーのシーンが観たいのに。
「コサックのサッカー」みたいなのが。
「ワイルド・ワイルド・ビーチ」も、「ルサルカ 水の精の恋」と同様、舞台はロシア南部の黒海沿岸のビーチ。
海水浴にやってきた人と商売している人たち(中央アジアの方からラクダなんか連れてきて一緒に写真撮りましょうビジネスしている)のドキュメンタリーで、何とも言えない雑多な題材・作風。
そんな中で、夜浜辺のテントの中でサッカー中継を聴くというシーンがあります。
対戦相手はというとポルトガル。
ああ、あの試合か~。
2006年ワールドカップヨーロッパ予選のロシア対ポルトガル。
完敗*したんだよね。
と、既に結果を知っている私はそこで苦笑。
暴れだす輩がいるのではとさえ思いました。
試合が進むにつれて、案の定その場の雰囲気は暗~~~くなります。
まあ、さすがにそこでは暴動までは起こりませんでしたが、楽しくないことこのうえありません。
(でも、アウェイのポルトガル戦はさらに酷いことになったのだ。7-0だったよ、確か。*)
「ワイルド・ワイルド・ビーチ」
«Дикий, дикий пляж. Жар нежных»
アレクサンドル・ラストルグエフ、ヴィタリー・マンスキー、スサンナ・バランジエヴァ監督2006年(こちらでは2005年)
注:2006年ワールドカップヨーロッパ予選のロシア対ポルトガル戦のスコアを改めて調べてみたら、上で書いていたことはだいぶ記憶違いがあって。
2004/10/13 ポルトガル 7-1 ロシア
2005/9/7 ロシア 0-0 ポルトガル
…でありました。
アウェイが7-0で、ホームが0-3だと思い込んでいた。
しっかりうろ覚えだった。
辛い時代だったなあ。
で、結局このときはホームではなくて、7-1の歴史的大敗をしたアウェイの試合でした。
すかっとするサッカーのシーンが観たいのに。
「コサックのサッカー」みたいなのが。
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ロシア
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