「ドリーム・チーム1935」という映画、実はまるっきりバスケット映画であって、サッカーシーンは全然ないのだ。
1935年開催の第一回バスケットボールヨーロッパ選手権で優勝したラトヴィア代表の話だ。
いわゆるスポ根ものの映画で、2時間の作品だけれど、結構おもしろい。
陸上分野からコーチを招いてのトレーニング風景が典型的な«その手の映画»って感じ(ちょっとしつこいかも?)
ラトヴィアは第一次世界大戦後に独立した小国。
これも実話通りなのか知らないがせっかく選手権行きが決まっているのにそれを妨害するような行為に終始するスポーツ協会の人たちがいる。
よって、バスケットラトヴィア代表、お金の苦労がずっと続く。
監督自身も旅費の申請の仕方を知らないなど、国際試合の経験が浅く、ラトヴィアという国の「若さ」を見せてしまっている。
ラトヴィアはその後、1930年後半から40年代へと時代が進むと、独裁体制の政体に陥る中で、秘密協定によるソ連併合、ドイツ軍進攻・・・と戦争・粛清の悲劇に見舞われるが、こういった歴史を、もちろん映画の中の人たちは知り得ない。
ラトヴィア選手権、練習風景、遠征途中のリトアニアとの親善試合、そしてもちろん選手権での3試合(対ハンガリー戦、地元スイス戦、決勝のスペイン戦)も丁寧に再現した末に、無事優勝し、ラトヴィアに帰って来て人びとの歓迎を受ける中で、このドリームチームの面々のその後が字幕で語られる。
史実なのだろうからネタバレするが、戦死・戦争関連死・粛清・亡命…戦後までラトヴィアにいて戦争(と粛清)を生き延びたのは一人だけだ。
また、この字幕で知ったことだが、この時代のスポーツ選手には珍しくなかったことだが、バスケットのドリームチームの何人かのメンバーは他のスポーツでも活躍した(スパルターク・モスクワの創立者のスタロフスチンもアイスホッケーの選手兼任だった)。
ボートのドイツ代表(!ドイツに占領されましたからね)あり、サッカー選手も複数いた(ラトヴィア代表主将も)。
戦争や他国の占領による直接の被害者となったサッカー選手たちとしては、ナチス・ドイツのチームと「死の試合」をしたディナモ・キエフの選手たちが知られているが、特に運動能力に優れた若者であったスポーツ選手は真っ先に徴兵対象となったろうし(或いは元々軍人であった)、抵抗運動にも進んで身を投じたろうから、当然犠牲になった人も多かっただろう、と改めて思うのだ。
バスケットラトヴィア代表~ドリームチーム1935
Valdemārs Baumanis/Вальдемар Бауманис 監督
映画の冒頭、ラトヴィア国内の試合(大学チーム対軍のチーム(ASK)では選手兼任だった。何歳くらいの設定なのだろうか?結構おっさんぽい他の選手たちより若そうに見えたが。)
Dekšenieks 陸上出身のコーチ
Rūdolfs Jurciņš/Рудольф Юрцин 主将
Andrejs Krisons
Džems Raudziņš/Янис Лидманис
Aleksejs Anufrijevs/Алексий Ануфриев 得点王
Herberts Gubiņš/Херберт Губин
Mārtiņš Grundmanis/Мартыньш Грундманис
Visvaldis Melderis/Висвалдис Мелдерис
Jānis Lidmanis/Дзем Раудзиньш
Eduards Andersons/Эдуард Андерсон
Edgars Rūja
「ドリーム・チーム1935」
"Sapņu komanda 1935"
"Команда Мечты 1935"
О победе Латвии на первом ЧЕ по баскетболу снимают фильм